お悔やみの手紙は、訃報を受けたにもかかわらず、やむを得ない事情で弔問できない場合に送る書状です。
まずはすぐに弔電を打ち、その後できるだけ早くお悔やみ状を書いて弔意を表します。
香典を添える場合の香典は、弔問する時と同様に不祝儀袋に入れて薄墨の筆で表書きをし、お悔やみ状と一緒に現金書留専用の封筒に入れて送ります。
お悔やみの手紙では、頭語や時候の挨拶などの前文は不要です。冒頭からお悔やみの言葉を述べ、故人への哀悼の念とともに、遺族をいたわり励まします。
ただし、大げさな表現をして却って遺族の悲しみを深くさせてはいけません。故人の人柄をほめたり、さりげなく思い出に触れることで、温かな表現になるよう心がけましょう。
また、故人が長寿であった場合においても、「天寿を全うした」などといった表現は控え、遺族の心情を思いやることも大切なマナーです。
通常、正式な手紙において、頭語と結語はセットで使用するものです。しかし、上で述べたように、頭語を省略することがマナーとされるお悔やみ状ではありますが、お悔やみ状に限り「合掌」という結語を使用することができます。
忌み言葉、重ね言葉(ただただ、皆々様、再び、ますます、しみじみ、時々、くれぐれも、など)についても、使用しないよう注意しましょう。
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お悔やみ状@文例
文例1:親を亡くした人へ
このたびはご尊父様ご永眠のご訃報に接し、心からお悔やみ申し上げます。
かねてよりご療養中とは存じておりましたが、このような悲報を受けるとは思いもよらず、ただ呆然とするばかりです。
本来ならばすぐにでもお伺いしたいのですが、やむを得ぬ事情によりそれがかないませんことを、どうぞお許しください。
心ばかりのご香料を同封いたしました。どうかご霊前にお供えいただきたく存じます。
ご家族の皆様には、一日も早く悲しみを乗り越え、心穏やかに暮らすことができますようお祈り申し上げております。
ご生前のご厚情に深謝いたしますとともに、ご尊父様のご功績を偲び、謹んで哀悼の意を表します。
合掌
文例2:夫を亡くした人へ
このたびはご主人様ご逝去の訃報に接し、何と申せばよいのか慰めの言葉も見つかりません。
ご主人様と私とは、○○学校時代からのお付き合いでございました。お元気な頃を思い、今はただ悲しみが込み上げてまいるばかりでございます。
ご家族様のご悲嘆はいかばかりかと存じますが、一日も早くお心の痛みが癒えますよう、心よりお祈りいたしております。
本来ならば早速にも参上し、ご焼香申し上げるべきところ、遠方ゆえ参列できませんことをどうぞお許しください。帰郷の際には改めてお伺いしたいと存じます。
心ばかりのご香料を同封いたしましたので、ご霊前にお供えくださいますようお願い申し上げます。
ご主人様のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。
合掌
文例3:妻を亡くした人へ
このたびは奥様ご逝去の訃報に接し、ただ呆然としております。
ご家族様のお嘆きはいかばかりかとご心中をお察し申し上げ、慰めの言葉もございません。
本来ならすぐにでもかけつけてお悔やみ申し上げるべきところ、仕事の都合で伺えませんことをお許しください。近日中に改めてご焼香させていただきたく存じます。
ご家族様には、さぞお力落としのことと存じますが、お身体に障りませんようお祈り申し上げております。
奥様のご逝去を悼み、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
合掌
文例4:子供を亡くした人へ
ご子息様ご急逝のお知らせを受け、信じられない思いでおります。
お元気な頃、屈託のない笑顔で接してくれたお姿を思い起こしますと、突然のことに、驚きと悲しみをを抑えることができません。
すぐにでもかけつけたいのですが、やむを得ぬ事情によりかないませんことをお許しください。
ご両親様をはじめ、ご家族の皆様にはさぞご落胆のことと存じますが、どうかお身体を大切に、一日も早くお心が癒されますようお祈りいたしております。
ご子息様のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。
合掌
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